Niyamgiri Hills
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ニヤムギリの丘
ニヤムギリには 少なくとも数百年の昔から
コンド族という部族が 棲んでいる
ニヤムギリの丘の麓で
農耕と牧畜で暮らしを立て
自然に寄り添って生きている
ニヤムギリの丘は 彼らの神が棲む山だ
コンド族にとっては 信仰の中心に聳える
神聖な山だ
一方 イギリスの
巨大資源採掘企業
ヴェダンタ(VEDANTA)は
この土地を 詳細に調査した
そして アルミニウムの原料となる
ボーキサイトが
地下で豊富に 眠っていることを知った
ヴェダンタは 採掘場をこの地に作り
巨大なビジネスを 開始しようとした
今から 10年ほど 前のこと
そのために ヴェダンタは
コンド族の人々に 持ちかけた
代わりに学校や 病院を作ろう
お金も入るし 何も持たない
今の暮らしよりよっぽど豊かになるだろうと
コンド族のうちの一村
ドングリア・コンドは
はっきりと 反対した
今のままで良い 学校も病院も要らない
私たちは いくつも前の世代から
現在まで 同じように生きてきた
自然も 山も 遥か昔から 変わらない
人間の 暮らしも 変わる必要は ない
ヴェダンタは
ニヤムギリの広大な土地を
柵で囲い コンドの人々を 閉め出した
ドングリア・コンドは
この巨大な世界的企業と
戦うことに 決めた
コンド族の12の部族が
全てドングリア・コンドの
味方についた
インド国内及び海外の
数多くの活動家や組織が
直接的にも間接的にも コンドを支援した
インド中央政府の政治家も
コンド族の戦いに
理解を示すものが現れはじめた
メディアもこの戦いを
「リアル・アバター」と映画になぞらえ
報道した
そしてついに 環境省副大臣が
コンドのために
共に戦うことを 約束した
2014年1月13日は コンド族にとって
大きな勝利の 記念日になった
インド最高裁は
全面的にコンド族の訴えを認め
ニヤムギリでの ヴェダンタの採掘開発を
却下する判決を下した
コンド族という
わずか8000人の少数部族が
世界的大企業を相手に
完全な勝利を収めた瞬間だった
学校も病院も持たない
小さな人々が
「ある土地の将来は そこに住む人間が決定する」
という 当然の権利を求めて
大資本に勝利した
それは 小さな人々が
起こした 大きな 奇跡だった
ニヤムギリの丘は
権力を持たない 全ての人々にとって
権力と戦う 全ての人々にとって
歩く道を 照らす灯火に なる
と僕は 思うのです
- Date Completed - January 2014
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