また起こってしまった
また起こってしまった。今度はパリで。
規模は全く異なるが、こういった殺人が行われるとやはりニューヨークの同時多発テロを思い出す。詳しくは「ある日のできごと」に書いたので繰り返しは避ける。
「文明の衝突」というワードが広く知られるようになったのはあれからだ。資本主義と民主主義を両輪に発展し続ける西欧社会(アメリカ+西ヨーロッパ)と、そこから落ちこぼれふるい落とされたイスラム世界という対立構造。面と向かっては西欧に敵わないイスラム世界の過激派(あくまで過激派だけだが)は地下に潜り世界に拡散した。
おそらく僕ら日本人が感じている以上に、実際のこの世界は西洋的な価値観に支配されている。極端な言い方をすれば、この世界はアメリカのもの、そして英独仏の西ヨーロッパのものだ。この世界を形作るOSが西欧のものなのだ。この世の中のシステムを動かすOSが、アメリカと西欧に作られたものなのだ。明治以降の日本なんかはその後ろ姿を追っかけているにすぎない。
これでいいのだろうかと疑問に思う。フランス(西欧)=正義、イスラム=悪者と片付けてしまう前に、現在のOSから存在を無視され野蛮人扱いされ続けた人々がいるということに、一瞬だけでも目を向ける必要があると思う。様々な地域の歴史を鑑みても、西欧的なOSの実態はときになかなか暴力的な価値観に集約する場合が多々あったのは周知の事実だ。
肝心なのは世の中を動かすOSを、少しずつ柔らかいものにしていくこと。西欧的な価値観でもなく、イスラム的でもなくアジア的でもない、そういう旧くからのエゴに影響されないようなOSに少しずつでもアップグレードしていくことのような気がしている。