パレードが賞をもらったらしい | Parade
行定勲監督の映画「パレード」がベルリン国際映画祭で賞をもらったというニュースが入ってきた。
撮影に参加させてもらった者として非常に嬉しい。
撮影は2009年だった。室内のシーンが非常に多い映画で、来る日も来る日も東映のスタジオ内に建てられたマンションの一室の中で撮影していた。
映画内のシーンが変わっても撮影場所がほとんど変わらないので、撮影が終わってもこの映画の全体像がほとんど想像できなかった。
完成一歩手前の段階で、試写を見せてもらって初めて、「こんな映画だったのか!」と知った。
それもまた心地よい驚きなのであった。
僕の仕事は広告宣伝用の写真撮影だ。
メインはポスター撮影。
映画本編の撮影が終わり頃になって、やっと時間をもらいポスター撮影を行ったのであった。
この映画、観た人はご存知と思うのだが、5人の若者の群像劇。
藤原竜也、貫地谷しほり、香里奈、小出恵介、林遣都の5人がそれぞれ重要な役割を演じている。
この役者たちが全員揃わないとポスターが撮れない。そして映画自体の撮影が終わり間際になる頃まで、そのタイミングが全くなかったのだ。
もっと言うと、5人揃ったら揃ったで現場はなかなか壮観なんである。
個性の強い5人が揃う。そうすると必然的に5人のマネージャーやヘアメイクなどがすごい人数になる。
もちろん現場には照明さんたちや美術さんたちもいて協力してもらっているので、その渦中の僕とデザイナー氏の二人はなかなかな人数の真ん中で撮影をすることになるのだ。
そうやってこのポスターは完成した。
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試写室で完成一歩手前のものを観たときは、言葉は合っているかわからないが、非常に立体的な映画になったなと感動した。
バラバラに撮っていたひとつひとつのシーンが有機的につながり、音響などの効果がとても聞いていて、これが映画を作るということなんだと実感させていただいた。
映画の魔力、ってやつに首根っこを押さえつけられたような気がしたのだ。
こうして映画に人生を侵食されていく人間がまたひとり出来上がるのだ。
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Though it’s a topic little while ago, a movie “Parade” (directed by Isao Yukisada) won …
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