アーメダバードにカロールに | 旅の終わり
まだ朝靄の立ちこめる中、グジャラート州アーメダバードに戻ってきました。
そしてアーメダバード郊外のカロールに移動。
ここ5年の間はここばっかりに来ていたので、戻ってくるとやっぱりホーム感が大きいです。
もちろんまだインドにいるのですが、ここ一月半していた「旅」から「ホームステイ」に変わる瞬間です。ああ、落ち着く。
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前回 “佐々井秀嶺というインドの英雄 | A giant called Syurei Sasai” の続きです。
ナグプールに来て、数人のインド人と会話をするだけで、仏教徒が非常に多いことに気付きます。
僕が日本人とわかると嬉しそうに「ジェイ・ビーム!」と挨拶してきます。「ジェイ」は神様の名前を呼ぶ前の「バンザイ」のようなもの。「ビーム」はアンベードカルの名前ビームラーオを縮めたもの。つまり「アンベードカルバンザイ」といった意味なのです。
ちなみにアーメダバードの友人たちは「ジェイアンベ」とか「ジェイスワミナライ」とか言います。これもアンバジという女神とスワミという神様を信仰しているからなのです。この種の、神様系挨拶を交わす関係性が一度できあがると、「ナマステ」とか「ナマスカ」という教科書的な挨拶はまったく耳にしなくなります。
「ジェイ・ビーム!」は仏教徒同士の挨拶、そして「スーレイ・ササイに会いに行くのか?」と続きます。佐々井さんは彼らにとって尊敬する偉大なグル(指導者)なのです。
また話は脱線しますが、インド人には「サ行」と「シャ行」の区別がないようです。ちょうど日本人がLとRを聞き分けられないのと似ています。ガネーシャも時によってガネーサと発音します。
佐々井さんは、ここナグプールに来て50年。今年80歳になるこの人は、若い頃数々の挫折を繰り返し、筋金入りの落ちこぼれとしてタイやインドに渡ったある夜、南竜宮城へ行けと言う老人のお告げを夢に見ます。南の、竜=ナーグ、城=プールではないかと思った佐々井さんは単身ナグプールに渡り、そこで暮らす不可触民の過酷な生活とアンベードカルが種をまいた多くの仏教徒を目にします。
それから40年以上日本に帰国せず、一心に不可触民を救済するため、仏教改宗運動を続けて来られたわけです。そしてその姿を見て佐々井さんを尊敬するインド人は、仏教徒ヒンドゥ教徒に関わらず非常に多い。
本文を読むナグプールに途中下車したその理由。
プリー〜アーメダバード間が遠すぎた(36時間)ということもあるのですが、なによりもナグプール在住の僧・佐々井秀嶺さんという人に会ってみたかったから。
ナグプールという、インド仏教の精神的中心地で、最高指導者として仏教徒の先頭に立つ佐々井さんに、一度お会いしてみたいとかねがね思っていたのです。
この人の数奇な人生のことを書き始めると本が何冊も書けるでしょう。
実際自著他著含めて何冊も出版されていますので、長々とした説明は省きます。2009年に44年ぶりに日本に帰国(現在の正式な国籍はインド)されたので、テレビや新聞などで見た方も少なくはないはず。
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佐々井 秀嶺
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友人たちの待つアーメダバードへの帰り道。
西へ西へ進む列車を、途中で降りてナグプールに寄っています。
ここはインドの地理的なヘソに当たるど真ん中!
特に観光地でもなく旅行者も多くないこの町で
ひとつだけやりたいことがあり途中下車しました。
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