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佐々井秀嶺というインドの英雄 | A giant called Syurei Sasai

posted on 1月 23rd 2014 in インド with 1 Comments

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ナグプールに途中下車したその理由。

プリー〜アーメダバード間が遠すぎた(36時間)ということもあるのですが、なによりもナグプール在住の僧・佐々井秀嶺さんという人に会ってみたかったから。

ナグプールという、インド仏教の精神的中心地で、最高指導者として仏教徒の先頭に立つ佐々井さんに、一度お会いしてみたいとかねがね思っていたのです。

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この人の数奇な人生のことを書き始めると本が何冊も書けるでしょう。

実際自著他著含めて何冊も出版されていますので、長々とした説明は省きます。2009年に44年ぶりに日本に帰国(現在の正式な国籍はインド)されたので、テレビや新聞などで見た方も少なくはないはず。

 

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NONFIX: 男一代菩薩道~インド仏教の頂点に立つ男~

NONFIX: 男一代菩薩道2~佐々井秀嶺 44年ぶりの帰郷~

インドの3偉人と呼ばれ、現在でも圧倒的多数のインド人の尊敬の対象になっている人物は、ガンディーネルーアンベードカルの3人。佐々井さんはこのアンベードカルの正式な後継者。インド仏教界での最高指導者なのです。

アンベードカルはインド独立時の政治家(法務大臣)ですが、彼が特異な存在だったのは生まれがカースト最下層の不可触民(ダリット)だったこと。カースト上位のバラモンである教師たちに質問もさせてもらえないような、強烈な差別(一説には汚れるとの理由で視界の中に入れなかったという)をはね返し、アメリカ留学、その後イギリス留学を経て学位と弁護士資格を取った人。

帰国後は不可触民の差別撤廃のために尽力し、カースト制度には根本の部分で肯定の態度を取ったガンディーを激しく非難します。アンベードカルからしてみれば、「ガンディーは生まれがボンボンだからわかっちゃいねーぜ」といったところでしょうか。インド独立時には憲法の草案作成者でもありました。

そしてその差別の根源がヒンドゥ教にあるとして、アンベードカルはその死の3ヶ月前に、約50万人の不可触民とともに仏教に改宗するのです。これが現在も続くインドの仏教復興運動

長くなるので続きます。

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石川拓也 写真家 2016年8月より高知県土佐町に在住。土佐町のウェブサイト「とさちょうものがたり」編集長。https://tosacho.com/

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