天狼院書店 | 気になる「秘本」2
1000冊仕入れの、その話自体が天狼院書店店主の覚悟を示している。
だいたい新車1台分くらいの金額がかかるそうで、売れなかった場合、返品はもちろんできない。店主の自腹である。
こういった経緯が、1冊の本に対しての店主の並々ならぬ情熱を感じさせるし、そこまで自信を持って勧められるってことはさぞかし面白い内容なのだろうとつい思ってしまう。もうこの時点で天狼院書店のペースに乗せられているのだ。
そうやって売られている秘本は、繰り返しになるが、買って手に取るまで内容がわからないようになっている。だからこその秘本なのだが、こうして黒々とした本が平置きされているのを実際に店内で目にすると、この中身は一体何なのだろうかウズウズと気になって仕方がなくなってくる。こうなると完全に天狼院書店の手の内だ。
実際こうして販売された「糸井重里秘本」1000冊は、発売後30時間でまたたく間に売り切れてしまったらしい。最終的には1600部ほど売れたとも。何度も書くが、街の本屋さんで起きたことである。
「糸井重里秘本」はそうして販売期間を終え、秘本のベールを今は脱いでいる。あちこちで書かれているので明かしても問題ないだろう。タイトルは「骨風」、ゲージツ家のクマさんの自伝本だったという。
僕が訪れた日には、前回の投稿の写真のように四代目と五代目秘本が揃って平置きされていた。コーヒーを一杯飲んだ後、そわそわとした好奇心が抑えられない。結局負けて、いや特に負けたわけではないと思うが好奇心を抑えきれなくなり、五代目秘本を買ってしまった。
そして今現在、8割がたを読み進んだ段階であるのだが、なかなか店主の目利きは鋭いなと思っているが、実際何を読んでいるのかは最初の条件として誰にも明かすことができない。それが少しだけ歯がゆく感じたりもする。