12月
01

借りに行くほどでもないんだけどもう一度観たい映画がある

posted on 12月 1st 2015 in 映画 with 0 Comments

 

最近では昔のようにビデオをレンタルしに店に行くということがなくなりました。

ネットでの配信サービスでほとんど事足りてしまうように、いつの間にかなっていますよね。

僕の周りではHuluやネットフリックスに相当ハマっているひとの話をよく聞くし、僕自身はアマゾンのプライムビデオに一時期ハマり、我ながら廃人疑惑を持つぐらい観つづけてしまいました。

アマゾン・プライムは本当によくできていて、そもそも年間3900円で買い物した時の送料が無料とかそんな感じのサービスだったはず。

僕はそれだけのためでも加入していたのですが、そこに来てプライムビデオが0円で見放題という恐るべしサービスを上乗せしてきました。

この大盤振る舞い。アマゾンお得意の競合他社つぶしの為の赤字覚悟戦略ではないかと、他社をつぶしマーケットを独占してから余裕な顔で値段を上げるのではないかと、今でも少し疑っています。

ただこの見放題というシステムがありがたいのは、昔観た懐かしの映画を数多く観れるのです。

昔、見た記憶がある。ただ時間が経っているので細部はよく覚えていない。とんでもなくおもしろかったことだけは覚えている。でもわざわざレンタル店に行って借りるのはめんどくさいな。

まさにそんな映画を観るには最適なサービスなのですよ。

僕は決してアマゾンの回し者ではありませんが、正直言うと寒くなってきた今日この頃、暖かい部屋で古い映画を何本も観まくってしまいました。


 

インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》(1981)

 

まずこれ。確か小学生の時に見た記憶が。小学生に「アーク《聖櫃》」って言われてもわかりませんよね。

アークもなんのことかわかんないし、聖櫃は読めないし。

でも大人になって、旅をし本も読むと、それがキリスト教とユダヤ教にとって非常に重要なアイテムのひとつであることを知ります。

旧約聖書に登場するモーゼの十戒。

モーゼは海を二つに割ったエピソードが有名ですが、 十戒はユダヤの神の戒律が記されたもの。2枚の石板に刻まれていたのです。

この石板が収められた棺がアーク(聖櫃)と呼ばれ、モーゼの後の時代にもユダヤの民にとっては最重要と言っても過言ではないほど大切に管理されます。アークが持つ不思議な力やアークが起こした奇跡も旧約聖書に登場します。

そして時代は下ってソロモン王統治時代のイスラエル。5世紀ぐらいの話。

稀代の賢君と称され強大な権力を持っていたソロモン王のもとに、エチオピアを治めていたシバの女王が訪れます。シバの女王はソロモン王とともに数ヶ月過ごし、エチオピアに帰る頃にはソロモン王との子供を身篭っていました。

エチオピアで生まれた子供はネメリクと名付けられエチオピアの王となり、母親がしたようにイスラエルのソロモン王を訪れます。

ソロモン王は遠方から来た息子をとてもかわいがり、ネメリクも父を慕い2年ほど過ごします。

しかしその仲に嫉妬した重臣たちによって、ネメリクはエチオピアに戻らなければならなくなります 。ソロモン王は帰国する息子を不憫に思い、重臣の息子たちも一緒にエチオピアに 行かせることにしました。

そのとき息子たちのうちの何人かが、ソロモン王の所有していたアークを盗みエチオピアに運んだのだ、とエチオピアでは強く信じられています。

エチオピアにはオベリスクと呼ばれる、数十メートルの石柱を垂直に建てた遺跡が存在しますが、これもアークの不思議な力で建てられたのだという説まであるのです。

その後アークは歴史の中で所在不明になり(エチオピアでは限られた人間だけが管理していると言われている)、キリスト教史上最大の謎と言われています。

長くなりましたが、ってなことを知った上でこの映画を改めて見直すと、これがまたおもしろい。

当時は気付かなかった、意外にきちんと歴史考察を踏んでいる部分と、SFのハチャメチャな部分とが良い意味で混じり合った映画だったんですね。

余談ですが、ソロモン王の息子ネメリクはその後エチオピアを長く治め、その子孫はエチオピア王族になりました。1974年に当時の皇帝ハイレ・セラシエが革命により廃位されるまでその血統は続いたのです。その廃位によってエチオピアの王制は消滅したせいで、日本の皇室が世界で最も古い家系になったという経緯があります。


 

ユージュアル・サスペクツ (1996)

 

ユージュアル・サスペクツ (字幕版)
(2013-06-15)
売り上げランキング: 2,017

 

 

そしてこれ。ケヴィン・スペーシーの名演。衝撃のラスト。

でもストーリーが若干複雑だった記憶があって、もう一度観てみたかった。

期待どおり、二度目も十分以上におもしろかったです。いま見返して思うのですが、この映画はその後「メメント」に代表される、時間さかのぼり系の映画のルーツですね。

カイザー・ソゼという名前だけは不思議と忘れないものです。

 

ゴッド・ファーザー (1972)

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Share on TumblrPin on Pinterest

石川拓也 写真家 2016年8月より高知県土佐町に在住。土佐町のウェブサイト「とさちょうものがたり」編集長。https://tosacho.com/

Loading Facebook Comments ...

コメントはここから