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クラウドソーシングで仕事をしてみた

posted on 3月 30th 2016 in 未来の話 with 0 Comments

クラウドソーシングという働き方

 

ここ何年かの間に浸透してきている「クラウドソーシング」という新しい働き方の仕組み。

簡単に言うと、お仕事の発注・受注や打合せから支払いまで、ネットを使って幅広く効率的にやりましょう、として始まったものです。

職種にもよりますが、例えばある会社のお仕事を、担当者と顔を合わせることなく受注・完了してお金を稼ぐということがネットの力で簡単に実現可能になってきています。




日本でメインは以下の二つ。

この二つで、実際に僕はいくつかお仕事をしてみました。

詳しい体験談はまた改めて書きたいと思いますが、これまでに感じたメリットとデメリットを簡単に書いてみます。

メリット

■おもしろい

単純におもしろいです。「こういう仕事お願いしたい!」というクライアントと、「それできる、やりたい!」と手を挙げるフリーランス。ある意味、とても単純な入札制で仕事が発注されていく。これおもしろいですし、すべての商売の基本となる部分だと思います。

■自分の値段がわかる

何というか、自分の価値が野に晒される感じがします。容赦なく値踏みされる感があり(値下げされる感ではないですよ)、世の中から見た極度に客観的な自分の価値が丸わかりになります。これは実はフリーランスにとっては貴重な体験だと思います。

この場にいるクライアントは、僕の仕事が必要なら発注するし不要ならしない。僕の出した値がクライアントのイメージよりも高ければやはり発注はしない、というアダム・スミスの言う「神の見えざる手」に厳格に支配される世界です。
もちろんリピーターになってもらえるクライアントはいるでしょうし、そうなるような仕事をこちらはしたいものですが、最初は誰でも一見さんなのです。この需要と供給、そして値段のバランスに支配された世界は正しい意味での厳しさに満ちています。

デメリット

 
■全体的に若干ギャラは安い(気がする)

正直、全体的に値段は低めな気がします。正確に言うと、値段をまず提案するのは仕事を受けるフリーランス側なのですが、僕の普段のイメージでギャラを提案するとさっぱり反応がなかったりします。低めに抑えて提案するとうまくいくことが多いです。

■悪意があれば悪用できてしまう

あくまで感触です。このシステムは悪用しようと思えばいくらでもできるのも事実。特にクライアント側は、受注側にアイデアだけ出させて仕事はキャンセルとか、もしくは納品された仕事に対して難癖をつけて払わないとか(仕事を受けた時点で仮払いはされているので、ある程度の保護はされていますが)、やる気になってしまえばできてしまう。

フリーランスの側にも仕事の質を見極める目が大切になるでしょう。

 

アメリカが本場です

 

クラウドソーシングはアメリカから入ってきた働き方で、向こうには日本のサイトと比べものにならないくらいの巨大サイトがあります。

その一つがこのUpwork

以前はOdeskという名前だったらしいです。

500万人以上の登録者がいるというアメリカ最大のクラウドソーシング・サイト。

もちろんやり取りは英語になります。ちょっとしんどいが頑張ればいける。

海外のクライアントと仕事をするのも貴重な経験になるはずです。日本にいながらドルを稼ぐってことですね。

ギャラの受け取りはいくつも選択肢が用意されていて、当たり前のようにPayPalがあるのがさすがです。

このUpworkはアメリカを中心に運営されていますので、もちろん日本での仕事は少ない。(それでもあることに驚きですが)

僕の場合で言うと、「写真や動画の撮影」となると日本にいるのでほとんどできないと思いますが、「写真のレタッチや修正」または「動画の編集」なんかはネットで完結できます。「日本にある何かを撮影してきて」といった仕事もできますね。

そう思ってたら、先日あるクライアントから直接コンタクトがありました。「7月に東京に行くから写真撮影をしてほしい」というオレゴンからの依頼でした。今はスカイプで打ち合わせをしている最中ですが、これは実現したらまたここに書きたいと思います。

こうして思わぬところから人間関係が広がっていくのも、このシステムのおもしろさと言えます。




新しい働き方がもたらすもの

あまり上手に説明できる自信はないのですが、ここ数年の間、ずっと感じていることがあります。

自分自身が「生き方・働き方」の過渡期にいるということ。

東日本大震災が2011年に起こり、その後に続く福島原発の惨状は言うまでもないことですが、そういったことが契機になり世の中全体の考え方や価値観は大きく変わり始めている。

もちろん人それぞれ価値観は異なるわけで、「唯一の正解」なんてものはあるはずないと思うのですが、僕なりの「正解」と呼べるものを見つけたいとずっと思っています。

それをあえて一言で説明すれば、「本当の暮らし」がしたい。

人としての、動物としての、「本当の暮らし」。

本当の食べ物。本当の住居。本当の衣服。

僕としては、これはやはり地面と自然から離れてしまっては実現できないと思っています。とすると田舎に行くべきかと。

今の僕の仕事は、写真・動画の撮影がほぼ100%です。世界中、日本中いろいろなところに行って撮影していますので、場所はあまり関係ない職かと思いきや、これが意外と場所の制約を受けているのです。

当たり前な話ですが、なぜなら撮影はその場にいないとできないから。そして僕が世界のいろいろな場所で撮影していたとしても、これまでのお仕事のほとんどは東京に存在する会社からのもの。自分で思っていたよりも相当強く、僕は東京という場所に縛られているのです。

クラウドソーシングで仕事をするということは、もしかしたら「仕事のために住む場所が決まる」という制約を改められる一助になるかもしれないと思うのです。

仕事が場所の制約から解放されたら、あとはもう住みたいところに住むだけだ。

そんな日も思っている以上に近くまで来ているのかもしれません。

 

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石川拓也 写真家 2016年8月より高知県土佐町に在住。土佐町のウェブサイト「とさちょうものがたり」編集長。https://tosacho.com/

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