6月
04
美しいアイサツ | インド・グジャラート
インドに一週間ほど行って来た。
詳しい話はまた別の機会に書きたいと思っているが、毎回インドを訪れるたびに持つ感想がある。
インドの挨拶は美しい。
例えば、親戚のおばあちゃんに会う。
年下のひとはお年寄りの前にかがみ、そのサリーの裾、または足を軽く手で触る。
そのままその手で自分の眉間をさわり、胸のあたりをさわる。
この一連の動作を流れるような所作でもって行う。
年長者に対する敬意と愛情をこの動作で表すのだという。
アーメダバードという都市にほど近いカロールという村で、インド人の友人の家にお世話になったのだが、滞在中は僕もよくこの挨拶をした。
軽い感じでこの挨拶をすることもあるし、帰国する前のお別れではもっと正式な、土下座に近い格好でおばあちゃんの足をさわって、おばあちゃんは僕のために旅の無事を祈ってくれた。
インドの人々がこの挨拶をするのを目にするたびに、何千年も以前から変わることなく繰り返されてきたその動作に、シンプルだがとても完成された美しさを感じる。
ラーマヤーナというヒンドゥーの聖典に登場するラーマ王子とシータ姫がまったく同じ動作をしているので、神話の世界からずっと同様の所作が続いて来ているのだろう。
まったくの蛇足、かつどうでもいい話だが、友人の親戚のひとりはカロールという村でトヨタのカローラを乗り回していた。
名前のおかげというわけではないだろうが、とっても気に入っているそうだ。
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