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2月
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九寨溝の川の流れ | チベット・四川省

posted on 2月 23rd 2011 in 旅の記憶 with 0 Comments

 

 

先週は中国へ行っていた。

訪問先はチベット文化圏の九寨溝(キュウサイコウ)だ。

九寨溝がチベット文化圏だということは知っていたのだが、思っていた以上にラサに近いというということを、現地で地図を見て恥ずかしながら初めて知った。

奇しくもちょうど15年前行ったラサへの旅の話をこのブログで書いている最中で、成都から2時間遅れの飛行機が九寨溝に着陸したときには、かつて訪れた記憶の中だけの場所にいつの間にか舞い戻ってしまったような、妙な因縁を感じる不思議な感覚がした。

九寨溝は段が連なった真っ青な湖が有名な観光地だが、それよりも今回の訪問で目を開かれる思いをしたのは、チベット民族は芸能の民だという事実を目の当たりにした瞬間だった。

男の踊りは激しく力強い。女の歌声は柔らかく力強い。

その独特な踊りと歌は、直にこちらの心臓に響いてくるような鮮烈さがあった。

チベット人というのは元来とても温厚で、ほのぼのとした印象を僕も以前のラサへの旅から持っていた。

それはそれで間違いではないのだけれど、それとはまた別の、彼らがその温厚さの内に秘めた遊牧民族の激しさを、少しだけ垣間見たような気がした。

一緒になって踊っていると10分ほどで汗が噴き出してきた。

こっちへ来て飲もう、とあるグループが誘ってくれたので飲み始めると、次から次へと乾杯の声がかかる。

返杯である。

乾杯、と言われたら飲み干すのがこっちのルールで、乾杯、飲む、乾杯、飲むを繰り返しているうちにベロンベロンに酔っぱらってしまった。

どうやらかなり酒に強いグループに入ってしまったようだ。

そうしているうちに何か歌ってくれ、と言うので美空ひばりの「川の流れのように」を歌った。

歌っている最中に自分がこの歌のサビの部分しか知らないことに気づき、延々とサビを繰り返すという情けない事態になってしまった。

それでも彼らは喜んでくれたように見えたので、なんとなく良しとしたのだが、もう一度九寨溝を訪れることができるならその前にカラオケで練習しておこうと密かに思っている。

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