「15の少女が還暦になるまでの物語」
このクラウドファンディングも残すところあと3日になりました!
正確には5月13日の23:59で終了します。いまいちど、周囲の知人・ご友人への紹介・口コミ・シェアなどをよろしくお願いいたします!
さて、今日はもう一つのエッセイのご紹介です。
この記念本では、フルハウスの昔からの常連の方、お二人にエッセイをお願いして執筆していただいています。
お一人は、先日ご紹介した朝日新聞社の篠崎弘氏の手によるもの。(『ドノヴァンの時代』)
そして今回冒頭のみを抜粋してご紹介するのは、作家・寮美千子氏による「15の少女が還暦になるまでの物語」です。
ここでわざわざ書くのも気が引けますが、寮美千子氏はこれまで数多くの著作を発表し、2005年には『楽園の鳥 —カルカッタ幻想曲』で泉鏡花文学賞を受賞されています。
Wikiによると、
寮 美千子(りょう みちこ、1955年 – )は、日本の作家。幼年童話からジュブナイル小説・絵本・詩・純文学・ノンフィクションまで手がけ、題材も先住民文化から宇宙天文まで幅広い。千葉県立千葉高等学校卒。高校時代は弓道部に所属。中央大学文学部中退。外務省・広告制作会社・フリーランスのコピーライターを経て、1986年、毎日童話新人賞を受賞、童話作家としてデビュー。2005年、泉鏡花文学賞を受賞。2006年以降、奈良市に在住。
千葉にこんな素敵な先輩がいて、そして10代の頃からフルハウスに通われていたのです!当プロジェクトチームがこのフルハウス45周年にあたり、70年代をテーマにしたエッセイの執筆をお願いしたところ、奇跡的に快諾していただきました。
今回はその冒頭の部分だけをご紹介します。
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「15の少女が還暦になるまでの物語」 寮美千子
わたしが千葉高校に入学したのは、1971年4月のこと。いま思えば、「フルハウス」の前身である「ドノヴァン」が、稲毛に開店する2カ月前のことだ。つまり「伝説の1970年代」の初頭ということになる。
わたしにとって、高校は新しい世界だった。地元中学から来た少年少女は、附属中学の仲間たちとは言葉遣いまで違い、文化が違った。ほんの一つか二つしか違わない先輩たちも、当時はやけに大人に見えた。彼らはギターを抱え、ロビーでこんな歌を歌っていた。
今日の仕事は つらかった
あとは 焼酎を あおるだけ
どうせ どうせ山谷のドヤ住まい
ほかにやること ありゃしねえ
「フォークの神さま」と呼ばれた岡林信康の「山谷ブルース」だ。山谷がなんであるのかも知らなかった無知な少女は、ただそれだけで圧倒された。習志野中から来た同級生の女の子が、この歌を歌っていたこともよく覚えている。
(続く)
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短くてすみません。
(続く)の後はぐいぐいと70年代の空気の中に引き込まれていくことになります。70年代のちょっと物騒な雰囲気と、そこにいる10代の寮さんの息遣いが、すぐそこに感じられるようなとても美しい文章を書いていただきました。
今すぐここで全部紹介したい。
ですが。もちろん。続きは記念本で読んでください!