グローバルとはなにか
現在グローバルと言われているものは、実は、本来の意味のグローバルな世界意識を欠いているのです。逆に、ローカルとは、大地に根ざし、生態系とつながることによって、真の世界意識を得ることであり、母なる大地の助けによって、自らも母なる存在へと成長していくことを意味します。
おそらく今年度、僕の中で最も胸に響いた言葉になるだろう。
「グローバルとは何か?」という質問に対してのサティシュ・クマールの回答。10代後半からバックパックを背負い世界のあちこちを旅して以来、ずっとモヤモヤっと抱いていた感覚を見事に言葉にしてくれていると思う。
世界意識とかなんとかは突き詰め始めると、なんとなくスピリチュアル過多のような気に、今の僕はなってしまうけれど、それでもこの人の言う「ローカルが行ききった先に世界があり、それがグローバルの本来だ」という考えはとてもよく理解できる。
これまでの僕の生活は、たぶん平均的な日本人のものと比べて、海外に行ったり滞在したりする機会が多かった方だろう。アジアもアフリカもヨーロッパも行ったことがあるし、イギリスにもニューヨークにも一時期住んだことがある。だからこそ思うことなのかもしれないが、飛行機でビュンビュン世界を飛び回ることが本当の意味でのグローバルでは決してないということだ。
ローカルローカル、どローカルが世界とつながる。
特に「土」につながる意味でのローカルが、それ即ちグローバル。
それは近年、僕の志向が東京を離れ、田舎に向きつつあることのぴったりした説明ともなっていて、はっきり言ってそんなに理屈っぽく考える必要はないのだろうけれど、なんとなく「あ、これだ」とそこに自分の一部を見つけたような気になってしまう。
この本はいただきもので、それまでサティシュ・クマールという人のことは知らなかった。
世界は広い。
サティシュ・クマールのゆっくり問答 with 辻信一 (ゆっくり小文庫)
素敬 SOKEIパブリッシング (2015-04-01)
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