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これはまだ オリッサにいたときの 写真
ニヤムギリの丘を 登った帰り道
トライバル・エリア(少数部族の土地)をいくつも 通り過ぎました
少数部族として 生まれて生きる
ということは 一体どういうことなのか 気になっています
“ニヤムギリの丘 | Niyamgiri Hills” で書いたとおり
ドングリア・コンドの人々は
8000人ほどの人口しかいない とても小さな一部族だけれど
「自分たちの土地の将来は 自分たちが決める」
と誇り高く 戦いに挑み
見事に 金にモノを言わす大企業に 勝ってしまった わけです
考えてみれば これはきっと 世界中で起こっている現実の ひとつの縮図
なぜ沖縄の将来を 沖縄の人間が 決定できないか?
これまでの 原発建設地は?
これからの 原発の取り扱いは?
そんな単純な 話じゃないよ とか言う声も 聞こえてくる
そう言う人はきっと
ニヤムギリの丘に登っても
そんな単純な 話じゃないよ って言うんだろうな
話、脱線しましたね
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ニヤムギリの丘 | Niyamgiri Hills
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ニヤムギリには 少なくとも数百年の昔から
コンド族という部族が 棲んでいる
ニヤムギリの丘の麓で 農耕と牧畜で暮らしを立て
自然に寄り添って生きている
ニヤムギリの丘は 彼らの神が棲む山だ
コンド族にとっては 信仰の中心に聳える
神聖な山だ
一方 イギリスの 巨大資源採掘企業ヴェダンタ(VEDANTA)は
この土地を 詳細に調査した
そして アルミニウムの原料となる ボーキサイトが
地下で豊富に 眠っていることを 知った
ヴェダンタは 採掘場を この地に作り
巨大なビジネスを 開始しようとした
今から 10年ほど 前のこと
そのために ヴェダンタは コンド族の人々に 持ちかけた
代わりに学校や 病院を作ろう
お金も入るし 何も持たない 今の暮らしより よっぽど豊かになるだろう と
コンド族のうちの一村
ドングリア・コンドは はっきりと 反対した
今のままで良い 学校も病院も要らない
私たちは いくつも前の世代から
現在まで 同じように生きてきた
自然も 山も 遥か昔から 変わらない
人間の 暮らしも 変わる必要は ない
ヴェダンタは ニヤムギリの 広大な土地を 柵で囲い
コンドの人々を 閉め出した
ドングリア・コンドは この巨大な世界的企業と 戦うことに 決めた
コンド族の12の部族が 全てドングリア・コンドの
味方についた
インド国内及び海外の 数多くの活動家や組織が
直接的にも間接的にも コンドを支援した
インド中央政府の 政治家も コンド族の戦いに
理解を示すものが現れはじめた
メディアも この戦いを
「リアル・アバター」と 映画になぞらえ 報道した
そしてついに 環境省副大臣が コンドのために
共に戦うことを 約束した
2014年1月13日は コンド族にとって
大きな勝利の 記念日になった
インド最高裁は 全面的にコンド族の訴えを 認め
ニヤムギリでの ヴェダンタの 採掘開発を却下する
判決を下した
コンド族という わずか8000人の 少数部族が
世界的大企業を 相手に完全な勝利を 収めた瞬間だった
学校も病院も 持たない小さな人々が
「ある土地の将来は、そこに住む人間が決定する」
という 当然の権利を 求めて大資本に 勝利した
それは 小さな人々が
起こした 大きな 奇跡だった
A: Niyamgiri Hills
ニヤムギリの丘は
権力を持たない 全ての人々にとって
権力と戦う 全ての人々にとって
歩く道を 照らす灯火に なる
と僕は 思うのです
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いくつもの村を通り過ぎ、日が昇ってからまた沈んで
車は少しずつニヤムギリに近づいて行く。
ニヤムギリの丘に棲むというその神が
僕を受け入れてくれるのか、それはまだわからない。
The car passed through so many villages, getting slowly close to Niyamgiri.
Sun rose and again sank.
At this moment I’s not …
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オリッサ州にはコンド族と呼ばれる少数部族がいる。
コンドの人々はニヤムギリの丘という地を「神の棲む山」として古来から崇拝しているという。
ニヤムギリに向かって夜を徹して車を走らせた。
In Odisha, there is a tribe called Kondh.
People of Kondh worship a place named “Niyamgiri Hills” as a mountain of …
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前回「村人全員が芸術家! | ラグラジプール芸術村」の続きです。
ラグラジプールでは他にも多くの工芸品を作っています。
下の写真は、ヤシの葉を削って一枚の絵画にしたもの。
この絵柄はガネーシャ
上のような針でヤシの葉に絵柄を描いていき、煤(すす)を水で溶いた液体を刷り込むと、削った部分だけに色が着きます。
表向きはヴィシュヌ神の10度の転生の姿を描いたもの。
それをめくるとカーマ・スートラの絵柄が。カーマ・スートラは古代の性技(体位?)を描いた解説書。
この村では16才から両親が技術を教えはじめるそうです。男性も女性も、一家総出といった感じで制作しています。
少し話はずれますが、これがこの村での出生届兼身分証明書。生年月日や名前や住所などが刻まれているそうです。
置物なんかも作っていました。面白くてついついいろいろ買ってしまいました。
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村人全員が芸術家! | ラグラジプール芸術村
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プリーからおよそ15kmの距離にラグラジプールという村があります。
120軒ほどの家があるこの村は住民全員が絵画や工芸品で生計を立てる芸術家の村です。
ここはアーティストが集まってできた村ではなく、何百年も昔から親子代々受け継がれてきた村民の生業が芸術や工芸品なのです。親は子に教え、子は孫に教えて現在に至るのです。
パタチトラを描く少女
上の写真はパタチトラ(Pattachitra)と呼ばれるオリッサ州の絵画技法。
古くて着なくなったサリーにタマリンドの樹液を厚く塗り、さらにもう1枚サリーを重ねます。表面を石で削り、その上から自然素材の塗料で絵を描いていきます。
白は貝殻、黒は煤(スス)、青、黄、赤はそれぞれ異なる岩石を砕いて使うということです。
上はパタチトラにジャガンナート絵画。ジャガンナートとはオリッサ州を中心に人気のある神様(とその兄妹)
ボトルに絵を描いたもの。右はジャガンナート、左は、、、なんだ?
以前「村人全員が陶芸家! | プリーの陶芸村」という話を書きましたが、インドでは村中、地域一帯が同業者ということは珍しいことではない。
これはカースト制度が根底にある。
カーストはバラモンからシュードラまで(もちろんアウトカーストも)という縦の身分制度以外にも、ジャーティという職業や血縁で区分する横の制度もあるという。
現在では法律からカースト制度は消滅したが、人々の習慣や意識はそう簡単には変わらないようだ。
なにしろ何千年とかけてインド人の意識下に根付いて来たカースト制度を、表面的な法律でさばこうとしても相当な無理があるのである。
不可触民などに対する強烈な差別などは一刻も早く解消してほしいと思ったりもするのだが、こういった村、こういった文化が現在まで伝えられてきているのも、またカーストの一側面である。
長くなるので続きます。
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