カルカッタに来てからはもっぱら地下鉄で移動しています。
地下鉄に乗って、今まで埋もれていた記憶、20年前の薄れていた記憶が突然蘇ってきました。
20年前、当時19才の僕は単身カルカッタに来ました。入学した大学で目標を見失い悶々とした毎日の中で、それならいっそのこと世界を放浪する旅にでようかと悩んでいた時期です。長い放浪の旅に出る前に、試しにいっちょどこかへ短期間行ってみようと考え、いろいろな場所のガイドブックを読み漁っていました。そのとき見つけた一文。
「もしあなたがカルカッタで自由な旅ができるなら、それはあなたが世界中を自由に旅することができるということだ」
それほどカルカッタは旅行者にとって大変なところだよ、という意味だったと思うのですが、若気の至りかその頃の僕は、よしそれならカルカッタに行ってみよう、と意気込んで人生初の海外ひとり旅の行き先をカルカッタに決めたのでした。
正直なところけっこうビビりながらカルカッタに到着、白タクで空港からボラれながらもなんとかバラナシやマドラスを廻り、2週間インドを堪能した後帰国の途についた、ところまではよかったのですが。
おそらく原因は意気込みすぎてあちこち忙しく廻りすぎたこと。2週間という期間のなかにここもあそこもと詰め込みすぎたこと。成田行きのエア・インディアの機内で突如具合が悪くなり、後部の3人席を占領してぶっ倒れてしまいました。帰ってきても腹痛と発熱、結局たまらなくなって4泊5日の入院、診断は細菌性の下痢ということでした。
そんなちょっと苦い記憶もあるカルカッタですが、当時(1994年)に訪れた時には地下鉄は延々と続けられている工事の真っ最中。70年代に始まった工事が94年にも終わっていないという。冬の間に掘って掘って掘り続けた穴が、雨期が来ると雨に流された土砂によって埋まってしまう。掘っては埋まり掘っては埋まりを繰り返して20年。まだまだカルカッタの地下鉄は完成しないんだよ、というのが当時インド人から聞いた冗談のような実話でした。
それが20年ぶりに来てみると地下鉄が完成している!
まだラインは南北の1本だけで、都市を網羅するにはこれからさらに20年とかかかってしまうのだろうけど、なんだか20年前に地下に潜って掘っていたインド人に、がんばったねと労いたい気持ちになってしまいます。雨ニモ負ケズひたすら掘り続けたあなたたちのおかげで今の生活があるのですよ、と何の関係もないくせに声をかけたくなってしまうのです。
そしてそれは同時に、当時ビクビクしながらカルカッタに来て、「自分が世界のことをなんにも知らない」という事実すらわかっていなかったあのときの自分に対して、将来の展望や見通しなんかさらさらなくって、自分が何になりたいのかすらわかっていなかったあのときの自分に対して、「そんなに背伸びして尖っていなくても、そのうちなるように、なりたいようになるから心配するな」と言ってあげたい気持ちと対になっています。
そんな封印された記憶のこもごも、カルカッタの地下鉄が鍵になって引き出しが開きました。
余談ですが、カルカッタの地下鉄構内で撮影は禁止されています。上のカットを撮った直後にしこたま怒られました。念のため。
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すでにカルカッタに来て一日半。それでもまだ自分がブッダガヤの空気を濃厚に纏っているような気がします。それが理由という訳でもないんですがブッダガヤ近郊のスジャータ村での写真です。
I already moved to Kolkata 1 and half day ago though, I feel myself wearing the thick air of …
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聖地ブッダガヤでは菩提樹を観に行って毎日が過ぎました。
あとは先日書いたビミョーなサーカス、それからブッダが乳粥を飲んで死の淵から元気を取り戻したスジャータ村。もともとは富豪の娘スジャータがブッダに乳粥を与えた村が現在ではスジャータ村となっています。
そして今度は4時間遅れの夜行列車に乗ってカルカッタへ。朝6時に到着する予定が10時着。宗教的聖地から一夜明け、降りたとたんのインド最大級カオス!
アーメダバードからここまで来ると、距離的にはだいたい北インドを横切ったことになります。カルカッタはもう隣国バングラデシュのすぐ近く。ウエストベンガルとバングラデシュは宗教がヒンドゥーとイスラムで分離したけれど、昔は同じ一つの国。文化的にも多くの共通点がある、お互い親戚のような存在らしいです。
A: Bodhgaya B: Kolkata
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I found the world’s most iffy circus in Bodhgaya, Bihar. 15 minutes walk to west on the main road from …
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世界で最もビミョーなサーカスを見つけました。
場所はブッダガヤのマハ・ボディ・テンプルからメイン通りを西に歩いて15分。
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あけましておめでとうございます。
みなさま本年もよろしくお願いいたします。
2014年のはじまりをインドのブッダガヤで迎えました。
ブッダガヤはその昔ブッダが悟りを開いた地です。ブッダファンの僕としてはいつか訪れたいと思っていた土地でもあります。6年間激しい苦行を重ねて死にかけたブッダが考えを変え、静かに菩提樹の下で瞑想を続け悟りに至った場所です。世界中の仏教徒にとっての聖地であり、ヒンドゥー教でもブッダは神様の生まれ変わりであるため、多くのインド人にとっても一大聖地です。
ブッダが座った菩提樹は長い歴史の中で数回燃やされ、現在は4代目。ただ株分けしてネパールに植えたものから逆に株分けしてもらい、オリジナルのDNAは綿々と存続しているようです。この樹の下で、現在もチベット人、ネパール人、インド人、中国人、欧米人、世界中から仏教徒が集まり祈りを捧げています。大晦日にはチベットのラマ僧の読経に混じって座っていたらなんとなく気持ちがよくなって、気がつけば3時間以上経っていました。樹にパワーがあるんだ、とインド人の知り合いは言っていましたが、もちろんある意味でのパワースポットであることは間違いない。
もう何時間でも時間が許す限りこの場所にいたいような気分になって、元旦には朝からずっと樹の下で座り続け、2014年の初日は過ぎて行ったのでした。
Happy Bless New Year!
I had the first day of 2014 in Bodhgaya, India. Bodhgaya is a place where Gotama Siddharttha …
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デリーから列車に乗って19時間。
ビハール州のガヤで降り、乗り合いタクシーで40分。ブッダガヤに来ています。
前日午後14時にデリー発、当初は16時間で朝6時半到着の予定だったのですが、3時間遅れで9時半にガヤ着。インドの長距離列車は遅れることが当たり前なので、3時間で収まったのはむしろ早い方です。
インド国内の移動はたいてい列車に乗っていますが、これが驚くほど安い。
今回デリー〜ガヤ間990kmの旅でチケットは572ルピーでした。これってだいたい¥1,000ぐらい。990kmって東京から大隅半島佐多岬ぐらいの距離ですよ。
座席のクラスによって値段はもちろん変わってきますが、僕が乗ったのはスリーパー(寝台)ACなし。インドでは列車もバスもホテルの部屋も、AC(エアコン)の有無が大きなポイントで値段が変わる。ホテルの看板にも「AC付いてます!!」なんてことがデカデカと書いてある。列車の座席もACかNO ACかで大きく変わる。
ただインドでエアコンというとき、そこに暖房は含まれないんです。冷房のみ。ACすなわち「冷房キンキンに効いてるぜ!」ってことなのです。ところがいくら常夏の国とはいえ北インドのこの時期はけっこう寒い。デリーでは毎日ダウン着てたぐらいだったので、車内での深夜は相当な冷え込みになりました。
これで冷房効かせたら本気で死んでしまう!と3段ベッドの一番下で震えながらのビハール州上陸です。
A: Delhi B: Bodhgaya
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デリー最終日。
これから東へ列車でガヤへ行きます。年越しはブッダガヤになりそうです。
デリーで食べたパニール・バター・マサラがとても美味しくて、何度か同じ店に通ってしまいました。果ては作り方が気になって厨房に入れてもらいました。シェフは心なしかいつもより張り切っていたような。。
これが完成図
それでは作り方!
①フライパンに油を引き熱してからローリエの葉とクミンを投入
ローリエはヒンドゥ語でテジパッタと言います。
②①の上から刻んだトマト、ニンニク、タマネギを炒めます
③同時にトマトとタマネギに大豆油を加えてミキサーでペースト状に
④②に③を加えさらにコリアンダーとショウガを投入
コリアンダーは言うまでもなくパクチーです。
パニールの固まり登場!
⑤パニールとはインドのカッテージチーズのこと。固まりを4~5個④に投入します。
アシスタントのマヘーシュ
下の鍋にはお湯が沸いててご飯を温め直します
ご飯温め直し係はアシスタントのマヘーシュの仕事。
スパイスで味を整えます
上から右回りにチャイニーズソルト、(ひとつ空をはさみ)ガラムマサラ、コリアンダー、唐辛子、塩、そして中央がターメリック。チャイニーズソルトは別名アジノモト!チョウメンを作るときだけ使うそうです。今回使ったのはガラムマサラ、コリアンダー、ターメリックの3つ。辛くしないようにお願いしたので唐辛子は使わなかったぞ!とのこと。
作ったのはこの人、シェフのラジェンダ
⑤さらにパニールを削り、コリアンダーとバターを落とし完成です。パニールは見た目が豆腐のようで、それ自体あまり味がないことも豆腐っぽいのですが、インドのカッテージチーズでいろんな種類のソースの具材に使われています。僕にとっては安心な食材で、食事に行き肉を食べる気がしないときやメニューがわけわからないときなんかによく頼みます。インドの大抵の料理屋には「なんとか・パニール」「パニール・なんとか」などのメニューがあります。
このお店はニューデリー駅目の前のメインバザール、HARE RAMA GUEST HOUSEの屋上にあるレストランでした。
そういえば以前「
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インド人の友人と一緒にいると、本当に歌と踊りが好きだな、と思います。
ちょっと人が集まって何かしらパーティになるとき。または宗教的な儀式の一部として。老若男女誰しもが本当に楽しそうに歌って踊る。若い人間だけのものではなくて、じいちゃんばあちゃんがゆらゆらとマイペースで踊っているのは特にかわいらしく、良いもんだと思います。
People in India, truly love dancing and singing.
In a kind of frank party, or as a part of religious ritual. …
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メンディ(ヘンナ)で飾られた花嫁クルッティの手足。
親族の女性陣はみなさんメンディで模様をつけるのですが(そのためのメンディ・アーティストがムンバイから呼ばれる)、親族は手首ぐらいまでのシンプルなもの。
花嫁とその母親は両腕両足すごい勢いで描いてもらいます。メンディ・アーティストもこの2人が一番の山場なので気合い入ってます。
Kruti’s hands and feet, decorated with Mehndi(henna).
Only the bride and her mother of the day decorate with henna onto their …
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